STORIES

どこか遠くにある街

“どこか遠くにある街”
海の向こう 異国の地
いつか訪れたことがあるような
小さな街の物語

レモンの実る家

階段をのぼった先に見えてくるのは大きな木

鮮やかな黄色いレモンがたくさん実っています

2階から手をのばして収穫するのは楽しいひと時

旅往く船

海を往く小さな船には小さな家が乗っています

煙突から煙を出しながら進む船は
色々な場所を訪れ 少し留まり また旅に出ます

これから出会う何かを求めて

夜の灯台

街はずれにある灯台には

1人の灯台守が暮らしています

夜には1つのカンテラを灯し

小さな物語を書いてすごしています

洗濯物のある家

小さな家の裏庭には

たくさんの洗濯物がたなびいています

気持ちの良い陽射しを浴びながら

小さな服も大きな服も
ふかふかに乾いてしまうように

木のある家

小さな家の裏庭には

1本のオリーブの木が植わっています

すっかり大きくなった木は春になると

たくさんの花つぼみをつけるようになりました

秋にはたわわに実るでしょう

街のホテル

街にある1軒のホテルには

丘を越え海を渡り旅人が集います

夜になると世界中のいろいろな話を聞きに

街の人々も集います

リストランテ

街で1番のリストランテ

階段を数歩のぼった先の扉から

こぼれてくるのは美味しい匂い

庭で育てている野菜や果物

ハーブをたっぷり使ったご馳走が待っています

日曜日の教会

街の中心の広場には

美しいステンドグラスがある教会が建っています

日曜日になると小さなお守りを胸に

人々が家族そろってお祈りにやってきます

ウミノソコノジカン

珊瑚のような形や藻が生えたような鮮やかな黄緑
不純物が付着したようなくすみ
沈没船の中で長い時を過ごし変化したジュエリー
海の底で流れていた時を纏う

カサナルジカン

真新しく生まればかりの時間
長くゆるやかな流れを経て色づいた時間
重なることで2つは擦れ合い
お互いが歩み寄る様に変化していく

ツモルトキ

遺跡から発掘された古い陶片
夏枯れた草がゆれる野原でみた風景
道端に打ち捨てられた錆びた欠片
美しさと寂しさが混ざり合った心に残る風景

花咲く農家

街はずれにある農家では
2匹のこぶたを飼っています
たくさんの花が咲く季節に産まれたこぶたは
暖かい陽射しに包まれ2匹はいつも仲良し

羊飼いの小枝

山の上にある小さな納屋は
羊飼いが羊を連れて夏を過ごす場所
草葺き屋根と石積みの壁
中には道具と小さな竈が1つ
朝のお茶を入れるために

庭師の夢

古びたガラスの温室には
庭師の想いが詰まっています
のびのびと広がる大きな葉や
色鮮やかな花や果実を眺めては
いつか旅したい場所を夢みています